アストン初の公道二輪「AMB002」登場!驚異のチタン骨格
新車情報

アストン初の公道二輪「AMB002」登場!驚異のチタン骨格

lyen2e 2026年09月12日

アストンマーティンとブラフ・シューペリアが初の公道モデル「AMB 002 ロードスター」を発表しました。新開発1083ccVツインと5kgのチタンフレームを備え、世界限定300台で生産されます。

アストン初の公道二輪「AMB002」登場!驚異のチタン骨格
画像引用元:media.astonmartin.com

スーパーカーファンとモーターサイクルフリークの双方が息をのむ、とてつもないマシンがベールを脱ぎました。英国を代表する超高級スポーツカーメーカーのアストンマーティンと、伝説的モーターサイクルブランドであるブラフ・シューペリアがタッグを組み、両社のコラボレーションとして初となる公道走行可能なモンスターマシン「AMB 002 ロードスター」を発表したのです。これまでサーキット専用として生み出された限定車を経て、ついにストリートへと解き放たれるこの珠玉のロードスター。美しさと圧倒的な工学技術が交差する、その驚愕の全貌に迫ります。

ここがポイント

世界限定300台の完全ハンドメイド生産で、2027年第3四半期より順次デリバリー予定

・単体重量わずか5kgの削り出しチタンフレームと乾燥重量190kgの超軽量ボディ

・新開発の1083cc水冷Vツインエンジンは最高出力130馬力・最大トルク110Nmを発揮

・独自のダブルウィッシュボーン式「フィオールフォーク」サスペンションを採用

・ハイパーカー「ヴァルキリー」や「ヴァンキッシュ」の意匠を宿すカーボン製フル外装

四輪ハイパーカーの魂が宿る官能のデザイン

記事内画像
画像引用元:media.astonmartin.com

AMB 002 ロードスターの姿を目にした瞬間、誰もがその異次元のプロポーションに目を奪われるはずです。2019年の「AMB 001」、2022年の「AMB 001 Pro」はいずれもクローズドサーキット専用の実験作でしたが、今回のモデルは公道を走るための法規を満たしながら、一切の妥協を排した彫刻的な美しさを完成させました。驚くべきことに、先代のサーキット専用機からの部品流用はなく、完全なゼロベースから再設計されています。

ボディパネルや燃料タンクには、高剛性かつ極めて軽量なカーボンファイバーを採用。タンクからサイドへと流れるラインは、自然界で磨かれた小石のように滑らかで有機的です。サイドフェアリングに刻まれた三日月形のスリットは、単なるアクセントではなく、車体周囲の気流を整えつつエンジンの排熱を効率的に促す空力デバイスとして機能します。

さらに四輪ファンを唸らせるのが、アストンマーティンのDNAが随所に散りばめられている点です。フロントからサイドにかけて伸びるストレーキ形状の意匠をはじめ、マフラーエンドのリブ付きヒートシンクは「ヴァンキッシュ」や「DB12」の造形を想起させます。また、テールエンドに配置された薄型ライトブレードは、世界最高峰のハイパーカー「ヴァルキリー」や「ヴァルカン」と直接呼応するデザイン言語です。キーレスシステムや手縫いの高級サドルレザーシートなど、インテリアならぬライディングスペースの仕立てにも超一級のクラフツマンシップが息づいています。

知っておきたい歴史の豆知識:二輪のロールスロイスと英名門の邂逅

ここで少し歴史を紐解いてみましょう。1919年に創業したブラフ・シューペリアは、かつて卓越した最高速と比類なき工作精度から「二輪のロールスロイス」と称賛され、あの「アラビアのロレンス」ことT.E.ロレンスが熱烈に愛用したことでも世界的に知られています。一度はその歴史に幕を下ろしたものの、2013年にフランス・トゥールーズを本拠地として見事に復活。航空宇宙産業の最先端ハブでもある同地の高度な金属加工技術を取り入れ、現代の工芸品とも呼べるマシンを少量生産しています。1913年創業のアストンマーティンと、1919年創業のブラフ・シューペリア。100年以上の伝統を誇る二大名門の融合は、まさに英国エンスージアズムの極致と言えるでしょう。

航空宇宙技術が息づくメカニズムとシャシー性能

記事内画像
画像引用元:media.astonmartin.com

心臓部には、フランス・トゥールーズの工房で設計・削り出し・組み立てのすべてが行われる完全新設計の1083cc水冷4ストローク88度V型2気筒エンジンを搭載しています。最高出力130馬力(bhp)、最大トルク110Nmを発生。スペック上の絶対的な数値を闇雲に追い求めるのではなく、常用域である低中回転域で力強いトルクを湧き上がらせ、高回転域まで淀みなくリニアに吹け上がる公道用ロードスターとしての理想的な調律が施されています。クランクケースをはじめとする主要構造部は、アルミ無垢材からCNC精密加工で削り出されており、航空宇宙グレードの剛性と軽量化を両立しています。

そしてシャシー構造において最も度肝を抜かれるのが、車体の背骨となるバックボーンフレームです。金属の塊から削り出されたチタン製フレームは、単体重量がわずか5kg。エンジン自体を強度部材として活用する設計により、乾燥重量190kgというリッタークラスのネイキッドとしては驚異的な軽さを実現し、前後重量配分は理想的な50:50を達成しました。

記事内画像
画像引用元:media.astonmartin.com

フロント足まわりには、一般的なテレスコピック式(一般的な筒状のフロントフォーク)ではなく、アルミ削り出しのダブルウィッシュボーン構造を持つ「フィオール式フォーク(Fior-type fork)」が投入されています。この機構の最大の利点は、操舵(ステアリング)と緩衝・減速(ブレーキング)にかかる入力を物理的に分離できることです。強い減速時でもフロントが沈み込みすぎない「アンチダイブ特性」を持ち、コーナー進入時のブレーキングやバンク中での車体姿勢が極めてフラットに保たれます。路面の上を滑空するかのようなハンドリング精度は、テレスコピックフォークの市販二輪車では決して味わえない異次元のスタビリティをもたらします。

ハイエンド二輪市場における唯一無二の存在意義

近年、四輪スーパーカーブランドと二輪メーカーのコラボレーションはいくつか存在しますが、その多くは既存市販車のカラーリング変更や限定外装の装着にとどまるケースがほとんどでした。しかし、このAMB 002 ロードスターは根本的に異なります。フレーム、エンジン、サスペンション、外装に至るまで、完全にゼロから設計された専用プラットフォームであり、四輪ハイパーカーと同等の哲学で作り込まれた「2輪のハイパーカー」そのものです。

メリットとしては、所有するだけで世界最高峰の美意識と工学技術を独占できる圧倒的なステータス性、そして限定300台という希少性による高い資産価値が挙げられます。一方、日常的な扱いやすさやツーリングでの積載性、一般的なバイクショップでのメンテナンス性といった実用面は完全に割り切られた設計です。日本国内ではプレミアム輸入車を数多く手掛ける専門ディーラーにて予約受付が行われていますが、手作業による緻密な生産工程ゆえに、手に入れることができるのは選ばれたわずかなオーナーに限られます。

MotorG編集部の注目ポイント

四輪ハイパーカーの世界では数億円クラスの限定車が即座に完売する時代ですが、二輪の世界においてここまで贅の限りを尽くし、素材と構造に妥協なく挑んだモデルは極めて稀有です。最高出力を誇示するスーパースポーツとは一線を画し、「190kgの車体に130馬力のVツイン、そして5kgのチタンフレーム」というパッケージングを選んだ点に、公道で真に意のままに操る歓びを追求した開発陣の確固たる美学が感じられます。

価格は未発表ながら、その工法や素材使いを考慮すれば数千万円規模のプレミアムプライスとなることは確実視されます。しかし、芸術品としての造形美と、フィオール式サスペンションがもたらす唯一無二のライドフィールを公道で味わえる価値は、他車では絶対に代えがききません。ガレージに四輪のアストンマーティンを収めるエンスージアストにとっても、究極のコレクションピースとなることは間違いないでしょう。

コメント (0)

まだコメントはありません。