3代目となったアウディQ3が日本に上陸。EV全盛の時代にあえて内燃機関を磨き上げたその走りと、新時代のインターフェースを徹底解説。戦略的な価格設定にも迫る。
「EV一本足打法」を修正したアウディが、今もっとも自信を持って送り出すSUVをご存知でしょうか。2026年5月にフルモデルチェンジを果たした新型Q3は、これまでのコンパクトSUVの常識を覆すほどの実直さと洗練を纏って登場しました。果たして、この一台にはどのような魅力が隠されているのか。その全貌に迫ります。
ここがポイント
・成熟の内燃機関:EV化へのロードマップを柔軟に見直したアウディが、あえて磨き上げた最新の1.5リッター直列4気筒ターボ+マイルドハイブリッドを搭載。
・新時代のインターフェース:物理的なシフトノブを廃し、ステアリングコラムに集約された操作系で、センターコンソールの収納力が大幅に向上。
・戦略的な価格戦略:550万円からのスタート価格に加え、電子制御ダンパーを全車標準装備するなど、クラス内でのコストパフォーマンスが非常に高い。
走りの質を支える「カヤバ製」の隠し味
新型Q3のステアリングを握ると、まず驚かされるのが路面に吸い付くような重厚感です。近年の軽量化重視な日本車とは一線を画す「どっしりとした操作感」は、まさにアウディならではの安心感といえます。今回、この走りを下支えしているのが、コンパクトSUVとして初採用された「2バルブ式電子制御ダンパー」です。実はこれ、日本のカヤバが手掛けたもの。伸び側と縮み側を個別に制御することで、荒れた路面でも揺れを最小限に抑え、路面の追従性を高めています。日常の買い物から高速道路でのロングドライブまで、ワンランク上の乗り心地を実現しているのは、この見えない技術の賜物と言えるでしょう。
使い勝手は進化か、それとも試練か?
インテリアで最も大きな変化は、シフトセレクターのコラム移設です。慣れ親しんだセンターコンソールのレバーが消えたことで、スマートフォンやドリンク置き場が劇的に広くなりました。操作はウインカーやワイパーのレバーと一体化したスイッチで行う仕組みで、まさにミニマルな現代のデジタルデバイスのような使い勝手です。ただ、初めて乗る人にとっては少々戸惑うかもしれません。しかし、一度慣れてしまえば手を大きく動かす必要がないため、非常に理にかなったレイアウトであることに気づくはずです。ちなみに、画面デザインもタイル形式へと一新され、スマートフォンを接続せずともYouTubeや音楽アプリを楽しめるなど、コネクテッド機能も最新スペックへと進化しています。
MotorG編集部の注目ポイント
新型Q3は、単なる「移動手段」を超えて、ドライバーとの対話を大事にする一台だと感じました。特に、あえて「エンジン車」としての完成度を高めてきたことに、アウディの本気度を見て取れます。上位ブランドの技術を惜しみなく投入しながら550万円という価格設定に抑えたことは、コンパクトSUV市場において、他ブランドに対する強烈な牽制球となるはずです。
もし購入を検討されているなら、まずは「素」のモデルでその足回りの良さを堪能することをお勧めします。華美なオプションを加えなくても、素材そのものの良さが際立つ車です。今後、EVモデルのQ4 e-tronとの比較で迷う方も増えるでしょうが、エンジン車特有のダイレクトな加速感や、完成されたパッケージングを重視する方にとって、この新型Q3はまさに「正解」といえる一台です。
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