639馬力で降臨!新型アウディRS 5がPHEV化で得た進化
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639馬力で降臨!新型アウディRS 5がPHEV化で得た進化

lyen2e 2026年10月29日

アウディは新型「RS 5」および「RS 5アバント」を日本で発売しました。ブランド初のPHEVを採用して最高出力639PSを達成し、世界初の四輪駆動制御技術を搭載しています。価格は1550万円からです。

639馬力で降臨!新型アウディRS 5がPHEV化で得た進化
画像引用元:www.audi-press.jp

「電動化されると、スポーツカーは重くなって牙を抜かれてしまうのではないか?」そんなクルマ好きの不安を豪快に吹き飛ばすモンスターマシンが、ついに日本の公道へ解き放たれました。アウディ ジャパンは2026年10月20日、ハイパフォーマンス部門である「Audi Sport」史上初となるプラグインハイブリッド(PHEV)モデル、新型「RS 5」およびステーションワゴンの「RS 5 アバント」の販売を開始しました。システム最高出力639PSというスーパーカー顔負けのスペックもさることながら、SNS上では「ふくよかなボディラインがたまらない」「見たことのない迫力」とその過激なスタイリングに早くも熱視線が注がれています。先行発売されたヨーロッパでは当初の予想の約2倍ものオーダーが殺到しているというこの新型モデルが、なぜこれほどまでに世界中のファンを熱狂させているのか、その秘密を紐解いていきましょう。

ここがポイント

・Audi Sport史上初のPHEVシステムを搭載し、システム最高出力639PS・最大トルク825Nmを発揮

・市販車として世界初採用となる「エレクトロメカニカル・トルクベクタリング」で異次元の旋回性能を実現

・ベース車両から片側45mm(全幅で90mm)広げられた、初代クワトロを彷彿とさせる全幅1950mmの超ワイドボディ

・約80km以上のEV走行が可能で、車両本体価格はセダンのRS 5が1550万円、アバントが1575万円

6気筒エンジン死守!ライバルを凌駕するパワートレインの選択

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今回の新型RS 5およびRS 5アバントにおいて、最も注目すべきは心臓部の構成です。ここで少し業界のトレンドを振り返ってみましょう。実はいま、欧州のハイパフォーマンスDセグメント市場は大きな転換期を迎えています。少し前にアウディがモデル名の命名規則を変更し、従来の「A4 / RS 4」という名称が内燃機関(ハイブリッド含む)モデルの「A5 / RS 5」へと統合されたのをご存じでしょうか。つまり今回の新型RS 5アバントは、実質的に名車「RS 4アバント」の正統な後継モデルでもあります。

このクラスの最大のライバルといえば、メルセデスAMG「C 63 S E パフォーマンス」と、BMW「M3 コンペティション」です。興味深いのは、3社それぞれのアプローチが完全に分かれたことでしょう。メルセデスAMGは伝統のV8を捨て、2.0リッター直列4気筒ターボにF1由来のPHEVシステムを組み合わせることで680PSを絞り出しました。一方のBMWは純粋な3.0リッター直列6気筒ツインターボ(530PS)を貫いています。では、アウディはどう出たのか。彼らは「2.9リッターV型6気筒ツインターボエンジン」を残しつつ、そこに強力なモーターを組み合わせるという、まさに両者のいいとこ取りとも言える選択をしたのです。

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アウディの2.9リッターV6エンジンは、排ガスの流速を緻密に制御するVTG(可変ジオメトリータービン)の採用などによって徹底的に鍛え直され、エンジン単体でも最高出力510PS(375kW)、最大トルク600Nmを発生します。これは先代モデルの450PSから大幅なパワーアップです。さらにトランスミッションの手前に、最高出力177PS(130kW)、最大トルク460Nmを生み出すモーターをドッキング。システム全体で639PS(470kW)、最大トルク825Nmという途方もないパワーを獲得しました。これにより、0-100km/h加速はわずか3.6秒、オプションのパッケージを装着すれば最高速度は285km/h(標準はリミッターで270km/h)に達します。メルセデスAMGで賛否が分かれた「4気筒化によるエンジンサウンドやフィーリングの変化」というリスクを回避し、6気筒ならではの官能的な鼓動と、電動化による爆発的な加速力の双方を手に入れた点は、アウディの極めて巧みな戦略と言えます。

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もちろん、PHEVならではの日常の使い勝手も抜かりありません。容量25.9kWh(実質使用可能容量22kWh)のリチウムイオンバッテリーを搭載しており、モーターだけで走れる距離はRS 5で85km、RS 5アバントで83kmを確保しています。EVモードのまま最高速度140km/hまで出せるため、平日の通勤や深夜の帰宅は静かなEVとしてこなし、休日のワインディングでは639PSのモンスターとして楽しむという二面性を持っています。なお、充電は普通充電のみ(標準3kW、別売りキットで最大8kW)の対応となっており、高速道路のサービスエリアなどにある急速充電器(CHAdeMO)が使えない点は、自宅に充電設備がないユーザーにとっては少し注意が必要なポイントです。

車重2.4トンを忘れさせる「世界初」の魔法とは?

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スペック表をじっくり眺めた目の肥えた読者の方なら、あるひとつの数字に目が留まるはずです。それは「車両重量」。大容量バッテリーやモーターを積み込んだ結果、新型RS 5は2380kg、アバントに至っては2400kgというヘビー級のウェイトとなっています。純ガソリンエンジンで1.8トン前後に収まっているBMW M3と比較すると、実に大人8〜9人分ほど重い計算になります。「そんなに重くて、本当に気持ちよく曲がれるのか?」と疑問に思うのも無理はありません。

しかし、アウディの技術陣はその物理的なハンデをねじ伏せるため、市販車として「世界初」となる革新的なメカニズムをリアアクスル(後輪軸)に投入しました。それが新開発の「エレクトロメカニカル・トルクベクタリング」です。トルクベクタリングとは、カーブを曲がる際に左右のタイヤへ配分する駆動力を変化させ、クルマをグイッと内側へ向けやすくする技術のこと。従来のシステムは、タイヤが空転し始めたのを検知してから油圧クラッチなどで対処する「後追い」の制御が主流でした。

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それに対し、新型RS 5のリアに組み込まれた400Vの水冷式電動モーター(出力8kW / トルク40Nm)は、1秒間に200回(5ミリ秒ごと)という猛烈なスピードでドライバーのハンドル操作や速度、重力(G)などを計算し、タイヤが滑り出す「前」に先読みして動きます。反応速度はわずか15ミリ秒。しかも、ドライバーがアクセルを踏んでいようが離していようが関係なく、瞬時に左右の後輪に最大2000Nmものトルク差を生み出すことができるのです。さらに、前後の駆動力を配分するセンターディファレンシャルにも新開発のプリロード(予圧)付き機構を採用。アクセルをオフにしてコーナーへ進入する瞬間でも前後のつながりを維持し、重い車体が外へ膨らもうとする動き(アンダーステア)をピタリと抑え込みます。

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足まわりも一新されました。これまでのRSモデルで定番だった油圧式のDRC(ダイナミック・ライド・コントロール)に別れを告げ、新たにツインバルブ式のショックアブソーバーを持つ「RSスポーツサスペンション」を標準装備しています。サスペンションが縮む時だけでなく、伸びる時の硬さも電子制御で瞬時に変えられるため、加減速での前後の傾きや、コーナリング中の横揺れを強力に封じ込めます。さらに、このクラスのアウディとしては初めて、フロントだけでなくリアにも超高性能なセラミックブレーキをオプションで選べるようになりました。2.4トンの巨体を、まるでライトウェイトスポーツのように意のままに操らせるための執念とも言える技術が、このシャシーには凝縮されているのです。

伝説のマシンが現代に蘇った?ブリスターフェンダーの魔力

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技術的な進化もさることながら、新型RS 5が欧州で予想の2倍も売れている最大の理由は、やはり見る者を圧倒するデザインにあるのではないでしょうか。全長4895mm、ホイールベース2905mmという堂々たるサイズ感に加え、ベースとなるA5から前後左右それぞれ45mmずつ、トータルで90mmも拡幅された結果、全幅はスーパーカー並みの1950mmに達しています(全高はRS 5が1445mm、アバントが1465mm)。

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この大きく張り出したブリスターフェンダーは、1980年代にラリーの世界を席巻した伝説の初代クワトロ(Ur-quattro)や、怪物マシン「スポーツクワトロ S1」、さらには近年話題となった電動ドリフトマシン「S1 e-tron クワトロ フーニトロン」といった歴史的名車へのオマージュが込められています。フロントマスクは立体的なハニカムメッシュのグリルを中心にブラックアウトされ、ダークハウジング化されたマトリクスLEDヘッドライトが凄みを演出。フロントフェンダーの後ろ側には実際に空気を抜くためのエアベントが刻まれ、リアにはモータースポーツ直系の縦型レッドリフレクターを備えた大型ディフューザーと、大口径のオーバル(楕円)テールパイプが鎮座します。日本のSNSで「お尻の膨らみがたまらない」「衝撃的なカッコよさ」と絶賛されているのも納得の、機能美と攻撃性が融合したプロポーションです。

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一方、ドアを開けると広がるのは、最新世代のアウディらしいデジタルとサステナブルが融合した空間です。標準仕様のインテリアはあえて本革を使わない「レザーフリー」となっており、再生ポリエステルを使ったカスケードクロスや、手触りの良いマイクロファイバー素材「ダイナミカ」がシートやダッシュボードに贅沢にあしらわれています。もちろん、従来の高級感を求める人向けに、ファインナッパレザーやベンチレーション機能、ヘッドレスト内蔵スピーカーなどがセットになったオプションパッケージも複数用意されています。

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コックピットで目を引くのは、上下が平らになった独特の形状を持つステアリングホイールと、11.9インチの大型スクリーンを用いた「MMIパノラマディスプレイ」です。メーター内にはRS専用のグラフィックが用意され、サーキット走行時に役立つシフトライトやGフォース、タイヤやバッテリーの温度管理、さらにはドリフト走行時の角度まで記録・表示できるという遊び心満載の機能が詰め込まれています。

MotorG編集部の注目ポイント

新型RS 5(1550万円)とRS 5アバント(1575万円)。1500万円オーバーというプライスタグは決して気軽に手が出せるものではありませんが、競合するメルセデスAMG C 63 S E パフォーマンスが1600万円台後半であることを考えると、V6エンジンを守り抜き、世界初の四輪制御技術を搭載したアウディの価格設定は、むしろ戦略的で高い競争力を持っていると感じます。特にセダンとアバントの価格差がわずか25万円に抑えられているため、日本市場では実用性とスタイリングの迫力を兼ね備えた「RS 5アバント」に人気が集中することは間違いないでしょう。ただし、全幅1950mmというボディサイズは、都市部の機械式駐車場や狭いコインパーキングでは確実に苦労します。購入を検討される方は、まずご自身の駐車場環境やよく行く施設の制限幅(多くは1900mmや1850mm)をメジャーで測っておくことを強くおすすめします。

写真や文字だけでは伝わらないこの「片側45mmワイド」の凄まじい迫力を体感したい方に朗報です。現在、アウディは都内4か所で期間限定の特別展示リレーを実施しています。11月4日までは「Audi City 日本橋」にてセダンのRS 5を展示中。その後はアバントにバトンタッチし、11月5日〜8日は有楽町の「阪急メンズ東京 1階コンコース」、11月11日〜15日は世田谷の「二子玉川ライズ ガレリア」、そして11月19日〜30日(24日・28日は店休)には「Audi City 銀座」でお披露目されます。2026年からのF1参戦を見据え、そのプロモーションの象徴としても位置づけられているアウディ渾身の電動モンスター。ぜひ今週末は実車のブリスターフェンダーを拝みに、会場へ足を運んでみてはいかがでしょうか。

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